ハクビシンの正しい駆除方法とは?法律・手順・予防策まで解説

屋根裏や天井から聞こえる物音、庭の果実が食い荒らされるなどのトラブルは、ハクビシンの仕業かもしれません。
ハクビシンは全国的に生息しており、農作物被害や住宅侵入などが増加しています。
しかし、法律上の規制もあるため、やみくもに捕獲や駆除を行うと違法になる場合があります。
本記事では、ハクビシンの生態と被害の特徴、法的なルール、個人でも実践できる安全な駆除・予防方法を詳しく解説します。
目次
ハクビシンとはどんな動物か
ハクビシン(白鼻芯)は、額から鼻にかけて白い筋が通ったイタチ科の哺乳類です。 外来種と思われがちですが、日本には古くから生息しており、江戸時代の文献にも「果樹を荒らす雷獣」として登場します。
近年では、都市部の住宅地にも適応し、屋根裏や天井裏で繁殖するケースが増えています。夜行性のため、夜中に「ドタドタ」と歩く音が聞こえるのが典型的なサインです。
ハクビシン被害の代表例
ハクビシン被害は、次の3つに分類されます。
住宅被害
屋根裏への侵入が最も多く、断熱材を巣にしたり、糞尿によって天井板が腐食することがあります。放置すると悪臭やシミ、最悪の場合は天井が抜け落ちることもあります。
農作物被害
柿やミカンなどの果樹、トウモロコシなどを食い荒らします。一度餌場を覚えると何度も戻ってくる習性があり、農家にとって大きな損失につながります。
健康被害
ハクビシンは体毛にノミ・ダニを多く寄生させており、放置すると人間への感染症リスクもあります。とくに猫ひっかき病やクリプトスポリジウム症などの人獣共通感染症には注意が必要です。
ハクビシン駆除には法律の規制がある
ハクビシンは「鳥獣保護管理法」によって保護されており、無許可で捕獲・殺傷することは禁止されています。 ただし、自治体に申請を行えば、罠の貸し出しや捕獲許可を得ることが可能です。
駆除のための申請方法
市役所または町村役場の「環境課」や「農林課」にて、有害鳥獣捕獲の申請を行います。 申請後、自治体から罠カゴを無料で借りることができ、捕獲した個体は自治体の指示に従って処理します。
許可を取らずに捕獲した場合、最大で1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることがあるため、必ず手続きを行いましょう。
自分でできるハクビシンの駆除手順
自分でハクビシンを駆除したい場合は、次の手順を守りましょう。
① 市役所で罠カゴを借りる
自治体の担当窓口で申請を行い、「捕獲許可証」とともに罠カゴを借り受けます。 罠の設置場所やエサの種類については、職員にアドバイスをもらうとスムーズです。
② 通り道・侵入口付近に罠を設置する
ハクビシンは決まったルートを通る習性があります。糞尿の跡や足跡が多い場所、屋根裏への出入り口の近くが狙い目です。 エサにはリンゴやバナナなどの甘い果物を使うと効果的です。
③ 追い出し作業を行う
燻煙剤や木酢液、ハッカ油などの強い匂いを嫌うため、天井裏や床下に煙を充満させて追い払います。 使用後は、必ず点検口を開けて換気を行いましょう。ノミ・ダニ駆除も同時にできる燻煙剤タイプがおすすめです。
④ 侵入経路を封鎖する
追い出した後、そのまま放置すると再び侵入されます。 屋根の隙間や換気口、軒下の穴などをパンチングメタル(金属板)やステンレスネットで塞ぎます。 コーキング剤で固定すれば耐久性も高まります。
⑤ 再侵入防止と環境整備
餌場や水場があると戻ってくるため、ゴミの放置や果樹の実の取り残しをなくしましょう。 また、唐辛子成分(カプサイシン)を含む忌避剤や木酢液を撒くことで、一定期間寄せ付けない効果が期待できます。
駆除後に行うべき衛生対策
ハクビシンの糞尿は強いアンモニア臭を放ち、雑菌や寄生虫を含む場合があります。 駆除後は以下の手順で衛生管理を徹底しましょう。
- マスクと手袋を着用して清掃を行う
- 塩素系漂白剤やアルコールで床や壁を消毒する
- 断熱材が汚染されている場合は専門業者による撤去・交換を依頼する
衛生処理を怠ると、ダニやカビが繁殖しやすくなるため注意が必要です。
ハクビシンを寄せ付けないための予防策
ハクビシンを寄せ付けないために、次のように対策しましょう。
環境の改善
庭木の剪定や屋根付近の枝切りを行い、ハクビシンが移動しにくい環境を作ります。 また、ゴミの放置やペットの餌の出しっぱなしも誘因となるため避けましょう。
忌避剤の活用
木酢液・唐辛子スプレー・レッドシートなどを定期的に使用します。 特に屋外では雨風で効果が薄れるため、1〜2週間おきに再散布すると持続効果が高まります。
点検とメンテナンス
年に1度は屋根裏や換気口を点検し、破損箇所がないか確認しましょう。 早期発見・早期対応が再侵入防止の鍵です。
自力で駆除が難しいときは専門業者に相談を
ハクビシンは夜行性で警戒心が強く、個人の対処では完全に駆除できないケースも多くあります。
以下のような場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。
- 何度追い出しても再侵入される
- 屋根や壁の高所作業が必要
- 糞尿の量が多く衛生的に危険
プロの駆除業者なら、赤外線カメラで生息状況を確認し、的確に封鎖・消毒・清掃まで対応してくれます。
保証付きの施工を行う業者を選べば、再発のリスクも大幅に減らすことができます。
まとめ
ハクビシンは一見おとなしい動物ですが、放置すれば住宅や健康に深刻な被害をもたらす可能性があります。 大切なのは、「法律に基づいた正しい手順で」「再発防止を見据えた対策」を行うことです。
自分で駆除を試みる際は、申請・罠設置・追い出し・封鎖・衛生管理の流れを守りましょう。
もし不安がある場合は、害虫・害獣の駆除から建物の消臭消毒まで対応できる『害虫駆除専門フレックス』にお任せください。
この記事の監修者
フレックス株式会社 代表取締役 内田寛
関東一円を中心にネズミなどの害獣や、シロアリ・羽アリなどの害虫駆除、建物の消臭消毒といった業務を幅広く行っています。