イタチの生態と駆除・予防のすべて|家庭でできる対策から専門業者の活用まで

屋根裏や天井で夜な夜なカサカサと音がする場合、「イタチ」いる可能性があります。
一見かわいらしい姿をしていますが、イタチは屋内に侵入すると断熱材の破損、悪臭、糞尿被害など、住宅に深刻なダメージを与える害獣です。
この記事では、イタチの種類と生態、法律上の扱い、自力で行える駆除や予防の方法、被害が止まらないときに頼るべき専門業者の対応までをわかりやすく解説します。
目次
イタチとはどんな動物?生息範囲と特徴を知る
日本で見られるイタチは主に2種類です。全国的に分布する「ニホンイタチ(ホンドイタチ)」と、西日本を中心に生息する外来種「チョウセンイタチ」です。
どちらも細長い体と短い足を持ち、非常に俊敏。体長は30〜40cmほどで、屋根裏や床下のわずかな隙間からも侵入できます。
イタチは夜行性で、暗い場所や人のいない時間帯に活動します。知能が高く、一度危険のない環境だと学習して何度も同じ経路を通ることもあります。これが「何度追い払っても戻ってくる」原因です。
イタチを勝手に捕獲してはいけない理由
イタチは「鳥獣保護管理法」によって保護対象となっています。無許可で捕獲・殺傷することは禁止されており、違反した場合は罰則を受ける可能性があります。
自宅での追い出しや侵入防止の対策は許可されていますが、捕獲を行う場合は自治体への申請が必要です。
多くの市町村では「有害鳥獣捕獲許可申請」を行うことで、無料で罠カゴを借りることができます。窓口は環境課や農政課など自治体によって異なります。初めての場合は、罠の扱い方や設置場所の相談もあわせて行うと安心です。
家庭でできるイタチ駆除の手順
家庭でできるイタチ駆除の手順について詳しく見ていきましょう。
STEP1:侵入経路を特定する
まずはイタチの通り道を探します。足音がする方向、糞や尿の跡、天井のシミなどが手がかりになります。 侵入口として多いのは下記です。
- 床下通気口
- 屋根瓦の継ぎ目
- 軒下の隙間
- 壁のひび割れ
- 換気口や通風口
これらを確認し、通り道にマーキングすることで次の対策に移りやすくなります。
STEP2:追い出し用の忌避剤を使う
天井裏や床下にイタチが潜んでいる場合は、まず「追い出す」ことが重要です。
バルサンなどの燻煙タイプの忌避剤を天井点検口から焚くと、煙が隅々まで行き渡り、イタチが一時的に退避します。 自然成分を好む場合は、木酢液やハッカ油をスプレーしても効果的です。特にハッカの匂いはイタチが苦手とする香りです。
STEP3:侵入口を封鎖する
追い出した後は、再び戻られないように侵入経路を完全に封鎖します。 おすすめの資材は「パンチングメタル」や「ステンレスワイヤー」。プラスチック製品や薄い木板では噛み破られる恐れがあるため注意しましょう。固定にはコーキング剤やネジ釘を使用します。
STEP4:エサ場・巣作り環境をなくす
イタチは食べ物がある場所を好むため、家の周囲や台所の残飯、ペットフードは放置しないようにします。 また、屋外にゴミ袋を出す場合はフタ付きのコンテナに入れることで、エサ目的の侵入を防げます。
イタチの被害とその兆候
イタチ被害を放置すると、以下のようなトラブルにつながります。
- 天井裏での騒音(走り回る・鳴き声)
- 断熱材の破損・巣作り
- 糞尿による悪臭と天井のシミ
- 電線の噛みつきによる漏電・火災リスク
- 食料や飼育動物への被害
とくに春〜夏にかけては繁殖期のため、天井裏で子育てを行い鳴き声が響くケースもあります。
イタチの糞尿や体毛には、サルモネラ菌・レプトスピラ症・SFTSウイルスなどの病原体が含まれる可能性があります。 直接触れたり掃除中に吸い込むと感染のリスクがあるため、マスクと手袋を着用し、アルコールや次亜塩素酸で消毒するようにしましょう。
効果的な忌避・予防グッズ
イタチに効果的な忌避・予防グッズを紹介します。
木酢液
強い酸味のある独特の匂いがイタチを遠ざけます。コップに入れて天井裏や倉庫に置くか、スプレーで散布して使用します。効果は約2週間〜1ヶ月程度です。
カプサイシン系スプレー・粉末
唐辛子成分であるカプサイシンを含んだ忌避剤は、嗅覚刺激が強く効果的です。風雨に弱いため、屋外で使用する場合は屋根のある場所やブルーシート上に撒くと長持ちします。
燻煙剤(バルサンタイプ)
天井裏や床下など、直接手の届かない場所に最適。イタチの追い出しと同時に、ノミ・ダニなどの害虫対策にも有効です。
それでも被害が止まらないときは専門業者へ
イタチは警戒心が強く、個人での駆除には限界があります。
もし「何度追い出しても戻ってくる」「侵入口が特定できない」「天井裏の被害が広範囲」という場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。
まとめ
イタチは一度住み着くと、短期間で家の中を荒らしてしまう害獣です。追い出し、封鎖、清掃を順に行えば、個人でもある程度の対策は可能です。ただし、被害が広がる前に早めに行動することが何より重要です。
もし自力での駆除に不安がある場合は、害虫・害獣の駆除から建物の消臭消毒まで対応できる『害虫駆除専門フレックス』にお任せください。
この記事の監修者
フレックス株式会社 代表取締役 内田寛
関東一円を中心にネズミなどの害獣や、シロアリ・羽アリなどの害虫駆除、建物の消臭消毒といった業務を幅広く行っています。