アライグマ被害の正しい対策方法|安全な追い出しと再侵入防止のポイント

近年、住宅街や農地でのアライグマによる被害が全国的に拡大しています。
夜中に天井裏から足音がする、庭の作物が荒らされる、ゴミ箱が散乱しているなどの被害の多くはアライグマによるものです。
この記事では、アライグマの特徴や危険性を踏まえ、自力でできる追い出し・予防法、業者に依頼すべきケースまで詳しく解説します。
目次
アライグマの特徴と日本での分布
アライグマは本来、北アメリカ原産の動物です。日本では1970年代後半にペットとして輸入されましたが、飼育放棄によって野生化した個体が繁殖し、現在では北海道から九州まで全国的に分布しています。
見た目はタヌキに似ているが性質は異なる
ふさふさした尾と黒いマスク模様でタヌキと混同されやすいですが、アライグマは前足の器用さと攻撃性の高さが特徴です。人を恐れず屋根裏や倉庫に侵入することも多く、繁殖力も非常に強いため、放置すると被害が拡大します。
アライグマ対策で知っておくべき法律
アライグマは「特定外来生物」かつ「鳥獣保護管理法」の対象動物に指定されています。
そのため、許可なく駆除や捕獲・殺傷することは違法です。
個人でできるのは以下のような「追い出し・防除」にとどまります。
- 忌避剤や燻煙剤を使った追い払い
- 侵入口の封鎖・修繕
- ゴミ置き場や庭の整理による予防
捕獲を行う場合は自治体への申請が必要
捕獲を希望する場合は、市区町村で「有害鳥獣捕獲許可申請」を行います。
多くの自治体では罠カゴの貸し出しを無料で行っており、申請すれば一般家庭でも捕獲が可能です。 ただし、設置後は自治体への報告や、捕獲後の処理に関しても指示を受ける必要があります。
アライグマを追い出す手順と再侵入防止策
STEP1:天井裏・床下の安全確認
アライグマは夜行性で、昼間は屋根裏や床下で休んでいることが多いです。まずは家の中で物音や糞の位置を確認し、活動場所を特定しましょう。 作業前には手袋・マスクを着用し、直接触れないようにしてください。
STEP2:煙・匂いで追い出す
もっとも安全な追い出し方法は「燻煙剤」や「木酢液」「ハッカ油」の活用です。 燻煙タイプの防除剤を天井裏の点検口から使用すると、煙が嫌いなアライグマが自然に逃げ出します。 ハッカ油や木酢液は強い刺激臭で忌避効果があり、スプレーやコップ設置で簡単に使えます。
STEP3:侵入口の封鎖
追い出した後は、必ず侵入経路をふさぎましょう。 アライグマは手先が非常に器用で、柔らかい素材では突破されてしまいます。 おすすめの封鎖材は「ステンレスメッシュ」や「パンチングメタル」です。 屋根の隙間・通気口・縁側下・配管周囲などを確認し、わずか5cmの穴でも見逃さないようにします。
STEP4:エサと水場をなくす
アライグマは食べ物と水がある場所に執着します。 フタ付きのゴミ箱を使用する、果樹や家庭菜園の残り実を放置しない、バケツや壺に溜まった雨水を処分するといった工夫で再侵入を防げます。
アライグマの被害と放置リスク
アライグマの被害について詳しく見ていきましょう。
住宅被害
屋根裏での足音や鳴き声のほか、断熱材の破損、糞尿によるシミ・悪臭、電線のかじりなど、家の損傷を引き起こします。長期放置すると、天井が抜け落ちる危険もあります。
農業・生活被害
果物やトウモロコシなど甘味のある作物を荒らし、ゴミ置き場をひっくり返す被害も多数報告されています。繁殖期(春〜夏)は子育てのため同じ場所に戻る習性があり、被害が繰り返されます。
アライグマが媒介する感染症
アライグマは複数の病原体を保有していることが知られています。
特に以下の感染症には注意が必要です。
- 狂犬病:死亡率ほぼ100%。咬傷や唾液から感染します。
- アライグマ回虫症:神経障害・視力障害などを引き起こす寄生虫感染。
- レプトスピラ症:発熱・筋肉痛・出血傾向などの症状を伴う細菌感染。
- サルモネラ感染症:食中毒を起こす原因菌。糞尿処理の際に感染リスクあり。
アライグマの排泄物や毛には病原菌が付着しているため、掃除の際はゴム手袋・防塵マスクを必ず着用し、使用後は漂白剤やアルコールで消毒しましょう。
市販の忌避・駆除アイテム
アライグマに効果が期待できる市販の忌避・駆除アイテムを紹介します。
木酢液
刺激臭でアライグマが近づかなくなる自然素材。コップに入れて置くと1か月前後効果が持続します。屋外ではペットボトルを利用した「簡易忌避ボトル」も有効です。
カプサイシン系粉末・シート
唐辛子成分を利用した忌避剤で、鼻粘膜を刺激して接近を防ぎます。雨に弱いため屋根下やコンクリート上に使用すると効果が長続きします。
燻煙タイプ駆除剤
天井裏で使用することで、アライグマだけでなくノミ・ダニの同時駆除も可能です。設置の際は火気に注意し、煙が届くよう点検口から配置します。
それでも解決しないときは専門業者に相談を
アライグマは学習能力が高く、罠や忌避剤に慣れてしまうことがあります。
何度追い出しても再侵入される、被害が屋根裏全体に及んでいる、感染症が心配といった場合は害獣駆除専門業者への依頼が最も確実です。
まとめ
アライグマは可愛らしい見た目に反して、住宅被害や感染症を引き起こす危険な外来生物です。
自力での駆除は可能ですが、法的手続きを守り、安全な手順で行うことが大切です。
早期に発見し、追い出し・封鎖・清掃の3ステップを実践することで再発を防げます。
被害が大きい場合や自信がない場合は、害虫・害獣の駆除から建物の消臭消毒まで対応できる『害虫駆除専門フレックス』にお任せください。
この記事の監修者
フレックス株式会社 代表取締役 内田寛
関東一円を中心にネズミなどの害獣や、シロアリ・羽アリなどの害虫駆除、建物の消臭消毒といった業務を幅広く行っています。