ヤスデは普段は土の中で落ち葉を分解する「益虫」として知られていますが、雨が続いたあとや梅雨時期になると、突然大量に家のまわりへ現れることがあります。丸みを帯びた体と無数の足が一斉に動く姿は強い不快感を与えるうえ、刺激を受けると臭い液を放つ特徴もあり、住環境に現れると大きなストレスにつながります。

本記事では、ヤスデが発生する理由やムカデとの違いを整理しながら、家庭で実践できる駆除方法・再発を防ぐ予防策・業者へ依頼すべき目安をわかりやすく解説します。

ヤスデが発生する理由

ヤスデが家の周りや庭に集まる背景には、環境の変化や生態に基づく明確な理由があります。まずは、どのような条件で発生しやすくなるのかを理解することが効果的な対策につながります。

雨で土壌の水分が増え、地表へ避難してくる

ヤスデは普段、土の中で落ち葉を分解して過ごしています。しかし、大量の雨が続くと地中の水分が増えすぎて呼吸がしにくくなり、ヤスデが地表へ一斉に出てきます。特に梅雨や秋の長雨はヤスデがもっとも活動する時期で、庭や玄関周りでよく見られるようになります。屋外に湿気がこもる場所が多い場合、ヤスデの逃げ場として集まりやすくなるため注意が必要です。

一度に多くの卵を産み、同時に孵化するため

ヤスデは1度の産卵で100〜200個もの卵を産みます。それらは地中で冬を越し、春に一斉に孵化します。さらに雨が続くと幼体も地上へ移動するため、庭や外壁周辺に大量発生しているように見えます。同じ場所に産卵しやすい習性があるため、同じ家で毎年出るケースも少なくありません。

ヤスデによる被害

ヤスデは毒が強い虫ではありませんが、見た目の不快さだけでなく、生活環境に影響を与える被害があるため、適切な対処が必要です。

刺激を与えると悪臭を放つ

ヤスデは外敵から身を守るため、触れられたり踏まれたりすると独特の悪臭を放つ液を出します。この液体は家具や靴につくと臭いが残りやすく、掃除にも手間がかかります。屋外で踏んだ場合でも広範囲に臭いが広がることがあるため、突然の大量発生は生活に大きなストレスとなります。

皮膚に付くと軽い刺激を感じることがある

ヤスデの分泌液は強い毒性はありませんが、皮膚につくと軽いヒリヒリした刺激を感じることがあります。小さなお子様がいる家庭では、庭や玄関周りで触れてしまう可能性があるため注意が必要です。生き物としては大人しいですが、衛生面を考えると早めの対処が望ましい害虫といえます。

ムカデとの違い

ヤスデはムカデとよく混同されますが、特徴や危険性は大きく異なります。違いを知っておくことで、正しい対処ができるようになります。

見た目と動きの違い

ヤスデは丸みを帯びた細長い体で、動きはゆっくりとしています。一方ムカデは体が平たく、素早い動きが特徴です。また、ヤスデは1節に2対（4本）の足を持ちますが、ムカデは1節に1対（2本）の足しかありません。

咬む危険性があるかどうか

ヤスデは人を咬むことはありませんが、ムカデは強い毒を持ち、咬まれると激しい痛みを伴います。見分けがつかない場合は無理に触らず、冷静に種類を見極めることが大切です。

効果的なヤスデの駆除方法

ヤスデは益虫とはいえ、家の中に入ったり、庭で大量に発生すると生活の妨げになります。状況に応じて適切な駆除方法を選びましょう。

殺虫スプレーを使う

屋内にヤスデが入った場合や、庭に複数見つけた場合は殺虫スプレーが最も手軽です。殺虫成分が含まれたスプレーは即効性が高いため、ヤスデが悪臭を放つ前に駆除しやすいのが特徴です。使用する際は、必ずヤスデに効果のある製品を選ぶ必要があります。

殺虫成分が不安な場合は凍結スプレーを利用する

小さな子どもやペットがいる家庭では、薬剤使用に抵抗がある場合もあります。そんなときは、瞬間冷却で駆除する凍結スプレーが便利です。薬剤を使わずに処理できるため、寝室やクローゼットなどの室内でも使いやすい方法です。

屋外の大量発生には忌避剤を使う

玄関・庭・外壁周りで大量に見られる場合は、特定の場所に近づけないようにする忌避剤が有効です。スプレー・粉末・置き型など種類が豊富で、環境に合わせた選び方ができます。忌避剤は広範囲の予防と再発防止に効果を発揮します。

ヤスデの侵入を防ぐ予防方法

ヤスデは湿気の多い場所を好むため、家の周りの環境を整えることで発生を大幅に減らすことができます。駆除だけでなく、予防を同時に行うことが重要です。

家の隙間をふさぐ

ヤスデは体が細長く、数ミリの隙間でも入り込めます。玄関ドアの隙間、網戸の歪み、換気口のフィルターなど、侵入しやすい場所を見直し、隙間テープや防虫キャップで塞ぐことで室内に入り込むリスクを軽減できます。

落ち葉や雑草をこまめに掃除する

落ち葉の下や雑草の根元はヤスデが集まりやすい場所です。放置すると湿気が溜まり、ヤスデにとって最適な環境になります。特に梅雨前には徹底的な清掃を行い、庭を乾きやすい環境に整えることが重要です。

水はけの良い地面を作る

庭に湿気が滞留しやすい場合、防草シートの上に砂利を敷くことで水はけを改善できます。湿気が減るとヤスデが住みつきにくくなり、雨の日でも地表に出てくる数を抑えられます。

自力駆除と業者依頼の費用目安

ヤスデの発生状況によっては自力で駆除できますが、規模が大きい場合は専門業者への依頼が必要になります。

自分で駆除する場合

スプレーや忌避剤など市販のアイテムで数百円〜数千円程度で対応できます。庭で数匹見かける程度なら、この方法で十分に改善できます。しかし、繰り返し発生する場合は根本原因が残っている可能性があります。

業者に依頼する場合

専門業者に依頼する場合、料金は1万円〜5万円ほどが一般的です。家の周囲の調査や発生源の特定、再発防止まで行うため、広範囲の発生や毎年繰り返すケースでは業者依頼の方が結果的にコストを抑えられることがあります。

業者への依頼が必要なケース

ヤスデは放置しても自然に減ることがありますが、次のような場合は専門業者に相談するのが確実です。

何度対策しても改善しない場合

自分で駆除しても毎年のように発生する場合は、庭の土壌や家屋の外周に大規模な発生源が残っている可能性があります。専門業者であれば状況を詳しく調査し、最適な処置を行うことができます。

大量発生して手に負えない場合

数十匹〜数百匹単位で発生している場合、自力での対処は困難です。大量のヤスデが歩き回ることで臭いの被害も広がりやすく、早めの専門対応が必要です。

室内で繰り返し発生する場合

室内でヤスデが続けて見つかる場合、家の構造的な隙間が侵入経路になっている可能性があります。場合によっては修繕が必要になるため、業者による点検が欠かせません。

まとめ：確実な駆除と再発防止には専門的な対応が効果的です

ヤスデは人を傷つける虫ではありませんが、突然の大量発生や悪臭を放つ性質があり、放置すると生活環境に大きな不快感を与えます。自力でできる駆除や予防も多くありますが、繰り返し発生する場合や広範囲で被害が出ている場合は、専門業者の力を借りることで確実に改善できます。

徹底した調査・確実な駆除・再発防止まで対応できる害虫駆除専門フレックスであれば、ヤスデの悩みを根本から解消できます。

ヤスデの発生に悩んでいる方は、ぜひ一度フレックスへご相談ください。

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